もし、彼と出会わなければ、
彼は逝かずに済んだのだろうか?

もし、私と出会わなければ、
彼はどこかで笑っていられたのだろうか?



仮定仮想



痛い痛い痛い。

胸が張り裂け破れるほどに。


苦しい苦しい。

息の仕方も忘れたように。


彼が私と同じものを見ていたから、彼はそれに気付いてしまったのか。
彼が私と行動を分かっていたから、彼はそれに気付いてしまったのか。

何度巡らせても答えは分からず、

ただひとつ。
私に電話をしたから、彼はこの世から消えた。


なんと残酷な結末。




もしあのとき、新聞が彼の手元になければ。

もしあのとき、軍の回線を使っていたら。

もしあのとき、私がそばにいたら。



仮定は新たな悲しみしか呼ばないのに。

仮想はただ、偽物の行動にすぎないのに。



それでも、叫ばずにおれず。



抜けるような青空の下。

冷たくなった彼のイレモノを、
冷たい土の冷たい箱にしまいこみ。


私ははじめて、

身体いっぱい溜まった悲しみを、
一粒、外に吐き出す。



現実に叶ったのはこの一つだけだった。



◇◆◇◆◇◆



2004/02/02 UP

ヒューズを失ったときのロイ…っていうのを書いてみました。
寒いから、寂しくなるのか、
どうしてもこの時期、こういう切ない系に走ってしまうなあ(汗)


ギャグ神様、降臨してくれないかな…(ヲイヲイ)