火葬


遠い東の島国では、遺体を焼いてしまうのだそうだ。

煙と一緒に、魂が、天に昇ってゆくのだという考えからできたその風習。





もし、俺が先に死んだら、お前の焔で焼いてもらうのも一興か?

私と同じ、黒髪を持つ親友はそう言ってグラスを傾けた。




イレモノだけといっても、あなたの形をしたものを、私が燃やせましょうか?

私の身体から悼む心だけを火葬にして、あなたの元に届けばいい。



もし、私が先に死んだら、誰が私を焼いてくれるのだ?
…やっぱりその話は却下。
なに?自分だけずるいだろ
違ぇよ…お前を焼くなんて、したくないだけだ。



結局、彼の遺体は燃やされることはなかった。


司法解剖でバラバラにされてしまったから。

ここでは、土に環すのが一般的だから。



…私の焔は、哀しみに浸り過ぎてなにも燃やせなくなっていたから。






イレモノだけといっても、あなたの形をしたものを、私が燃やせましょうか?

私の身体から悼む心だけを火葬にして、あなたの元に届けばいい。





見てくれはわからなくとも、あなたがいなければ私の心は死んでしまっているのだから。







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2004/02/03 UP

ヒュロイポエーーーム第二弾(爆

やっぱり死ネタかよ…的に(汗)
ロイはきっと東の島国(笑)の血が流れているんだと思うんですよね。
ヒューズは目が黄色なのでちょっと解らないけど…でも遠くで繋がってること希望。
(あの世界観で黒髪ってちょっと珍しいじゃないですか。)
ちょっと隠し台詞を入れてみたのですが…不要だったかな・・・?(汗)