距離 2




まあ、確かにね
君に出会うまではいろいろと遊んでいた身だから
信用しろってのは無理な話かもしれないねえ

だけどね
いまは君以外の花が全然目に入らなくて
まったく遊び歩いてないんだよ?


気付いてないかな?
ちょっと女の子に話しかけられて
ただ返答してるだけなのに
君の眉間におおきく皺がよってるの。
嫉妬してくれてる?
なんて聞いたら絶対に怒るから言わないけどさ

「なにしてるんですか、先にいきますよ」

ふと目が合って。ひらりと手を振れば
ふん、とそっぽを向いてさっさと歩き出す
君の後ろを悠然とついてゆく。

知ってるからさ
少しすると機嫌が直りかけて、ちょっと心配そうな顔して
こっちをふりかえること。

その顔がまたかわいいんだ。なんて
言ったらもう振り返ってくれなくなっちゃうかな?








知ってます
あなたが女好きなことくらい
知ってます
あなたがもてることくらい

知りません
あなたが知らない女の人とただ他愛のない話をしてる
ただそれだけで、
胸の奥がちくりと痛みを覚えることなんて

私の視線に気付いたのかちらりと私を見て
私の心を読んだように、小さく微笑んで手を振る

瞬間どきんと跳ねた。
静まって心臓。

「なにしてるんですか、先にいきますよ」

絶対赤くなっている頬を隠すよう顔を背けて歩き出す。
何歩か足早に先に進んで、ふと怖くなった
・・・怒っていなくなっていたらどうしよう
そろりと振り返れば、悠然と着物をひらめかせて
私を見守るようにあなたは笑っていた。

その姿に、また心臓がどきんと跳ねた。







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書き散らしたものだいにだーーーん
こっちは京の距離。

やっぱりあれです
どっかの白虎にも見えるし
どっかの死神にも見えるでしょ?(笑