PT名はCrossRoad。
言いだしっぺは誰だったか、もう忘れた。


はじまりの時


ギルドをつくろうとはだれも言い出さなかった。
だけど大概同じメンバーで狩りにいき、同じメンバーで溜まっている。
これが固定メンバーってやつなのかしら。と
双子の兄、ローグのレンが笑って。
そういうもんか?と納得したりした。


今日もゲフェンの溜まり場でクルセイダーのナイツとレンと私の3人でぼんやりと残りの一人の登場を待った。

と、そこへモンクのスカイが走って現れた。

いつもはつらつとした彼らしくなく、妙にキョドった表情で私たちの前に座る。

「…突然話があるだなんて、どうしたのよいったい」
「あ、あのな」
「なんだよ」
「どうした?」

私たちの質問攻めに、顔を赤くして、スカイははあ、と一呼吸置いた。


「…溜まり場さ、こんどからアルデバランにしないかな、と…」


もじもじとそういうスカイに、私たちは互いを見合った。

アルデバランといえば国境のそばの町で
名物といえば中央にそびえる時計台と、カプラ本社…しかなかった気がする。

「アルデバラン?」
「…最近ずっとお前が通ってたところだろ?」
「時計台でなにかほしいものでもあるのか?それともルティエ?」

私たち3人の言葉にスカイは首を横に振る。

レンがじっとスカイを見て、まさかと口を押さえた。

「…スカイ、まさかあんた彼女でもできたとかいうんじゃないでしょうね」
「アクアは男だ。彼女じゃない」

はっきりとそう言い返して。
スカイは慌てて口を押さえた。

「…あらやだ、おめでとう」
「スカイ、彼氏できたのか。おめでとう」
「…それは、また…おめでとう」
「おめでとうじゃねえ!いや、あの、サンキュな。…じゃなくって!!」

頭を抑えて突っ伏すスカイに笑って、ナイツがよいしょと立ち上がった。
がちゃり、とクルセイダーの鎧が音を立てた。
それが合図のようにみんなが立ち上がる。
スカイの肩を叩いて、私も笑った。

「…ロン」
「ほら、いくぞ?」
「へ?」
「アルデバラン。いくんだろ?」
「どこに溜まるか、考えないとだし」
「そのアクアくんってのも拝んでみたいしね」

クスクスとエモを出しながら、レンも笑って伸びをする。

「…みんな」

涙をにじませながら、スカイも立ち上がった。

「あ、アルデバランまでのみんなの旅費、スカイもちだからな」
「なにぃ!?ロンのポタは!?」
「悪い、昨日竜宮言ったときに上書きして消してしまった…ああ、溜り場にするならセーブにしないと」
「…っ」
「よろー」
「よろー」
「…っ、わぁったよ!」

恥ずかしそうにあたまを掻いて、スカイは笑った。
その笑顔を見て、私たちもつられて笑ってしまう。


そうして。

新しい溜まり場に、新しいメンバー。
日常がすこし、色を変え始めた。








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CrossRoad、プロローグ的なものです(笑
このメンバーから以降、ほとんどが脳内鯖の住人なので
ある意味動かしやすく、動かしにくい(笑