Un gatto Spanner-4





ウチは猫。名前はスパナ。
好きなものはスパナ型のカリカリ。
あと…




正一は寝起きがすごく悪い。
だからウチが起こしてあげる。


ひょいとベッドに上がると眼鏡のない正一の顔が、枕の上にぽすんと乗っかっている。
ぬくぬくの布団を肩までかけて、気持ちよさそう。

ちょいちょい、と指先で顔をつつけば、小さく唸ってそっぽを向いた。
回り込んで、今度はちょっと爪を出してほっぺたをつつく。

「ん−…」

嫌そうに眉間に皺を寄せる。
起きたかな。

すんすんと鼻先で確かめてみるが、まだ起きてないみたい。

いいかげん起きろ


ざらりとした舌で、額をべろりと舐めてやった。

「んあ、あ?」

目をしぱしぱきょどきょどさせて、正一はウチを見た。

「なぁんだ…スパナ…どうしたの?」

ウチの顔を見て、また目がとろんとしてゆく。
起きろ正一、ウチのカリカリがもう空で何も入ってないんだ。

「ん〜…どぅぞ…」

そう言って、正一は少し布団を持ち上げた。

ちょうどウチが潜り込めるくらいの空洞が現れる。


空洞は真っ暗で興味をそそられる。
そうじゃないんだ正一…ウチが欲しいのはカリカリ…

そう思いながらも足が勝手に中へと進んで行く。
くるりと布団の中で方向転換。
寝やすい位置で正一の腕に頭を乗せた。

くそぅ…布団のぬくぬく…神秘…
グルグル鳴ってしまう喉を恨めしく思いながら、
また寝てしまった正一の鼻先に額をつけて、
ウチもゆっくり瞼を閉じた。



…一番大好きな

正一のぬくもりを感じながら。




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09-02-25

軽く実話ですwww
この行動はうちの猫がよくやります。
つめが痛いです(笑)
起き上がるとすっ飛んでえさ箱の前で待ちます。
布団を開けると、一瞬違うんだけど、って首をかしげながらも、中へ入ってきますww