赤ずきん(氷帝)
Cast**
赤ずきん:忍足
母:向日
おばあさん:樺地
狼:跡部
狩人:日吉
昔々、あるところに赤ずきんを被った忍足がいました。
ずきんなんてもんを被ったところで忍足は忍足でしかなく、
みんなから忍足、とか、侑士、とか、おい、とか
普通に呼ばれておりました。
ある日、忍足はお母さんに森に住むおばあさんへクッキーを届けてくるように頼まれました。
「なんでワイがそんなとこいかなあかんねん」
「それはさ、なんで俺が侑士のお母さんなんかにならなきゃいけねえのかってところから話はじめないといけないよな?」
「・・・いってくるわ」
むすっとした岳人の返答に会話が面倒になった侑士は心を閉ざし、早々に森へと向かっていきました。
しばらく歩いていると、花が咲き乱れる場所がありました。
そこは跡部所有のバラ園で、忍足はそっと中を覗き込みました。
案の定そこには、跡部が狼の着ぐるみも華々しく、バラのベッドの上で眠っていました。
忍足は籠にねじ込んでおいた台本を開いて
「ワイはここで花摘みをせなあかんのよね?」
と、にんまりと笑いました。
数時間後、なぜかぼろぼろになった跡部がよろよろと歩いていました。
「あのクソったれ、人が気持ちよく眠ってるところを邪魔しやがって・・・」
ふと見上げればそこには小屋がひとつありました。
表札にはおばあさんの家、と書いてあります。
「あーん?ここは樺地の・・・」
跡部は樺地の家にズカズカと入っていきました。
樺地はピンクのフリフリネグリジェ姿でベッドに横になっていました。
「おい樺地、ベッドを貸せ」
「ウス」
樺地は素直にうなづいて、どこかへと去っていきました。
跡部はふかふかのベッドに横になると、満足そうに瞳を閉じました。
その頃忍足は、バラの棘だらけの茎の中からようやく這い出していました。
「全く、景ちゃん容赦ないわぁ、あいててて。・・・にしても、可愛かったなあ・・・ふわふわで、こう、はよう脱がしたくなるような・・
・・・・あかん、早うばあさんとこいかな、日が暮れるわ」
にまにましていた忍足は、バスケットを引っつかんでようやくおばあさんの家に向かいました。
たどり着いたおばあさんの家では、ベッドの上に何故か気持ちよさそうに眠る跡部がいました。
「なんで景ちゃんがここにおんのん?」
ぱちくりと瞬きをしながら、忍足はゆっくりとベッドに腰掛けました。
「ま、ええか。ある意味台本どおりや」
にまりと笑い、跡部の髪をそっと撫でました。
「なあ、景ちゃん?なんで景ちゃんの髪はこんなにさらさらやのん?」
さらりと銀の髪が指に絡んで、ぱさりとシーツに落ちました。
「なあ、景ちゃん?なんで景ちゃんの泣きぼくろはこんなにセクシーやのん?まるでワイを誘惑しとるみたいや」
眼の下にある泣きぼくろをそっと撫でれば、ピクリと瞼が震えて、綺麗なアメジストの瞳がぼんやりと忍足を映し出しました。
「なあ、景ちゃん?なんで景ちゃんの瞳はそない綺麗やの?吸い込まれてしまいそうや・・・」
「・・・なにいってんだテメエ・・・」
「なあ、景ちゃん?その言葉を紡ぐ唇、美味しそうやなあ」
近づく顔。
跡部は何がなんだかわからずにただ忍足を見つめていました。
ドカーーーーーン!!!
あと6.5センチというところで、二人の間をテニスボールが弾丸のように走りました。
「な、なんや!?」
「なにやってんすか、先輩」
窓の外から雄雄しいきのこが忍足をにらみつけています。
「ひ、日吉・・・」
「狼は、俺が狩る・・・下克上等!!!!」
「なにが下克上や!!ぎゃあああ!!!!」
赤ずきんやのに!!!
そう叫びを残して、忍足は日吉に追い回されて倒されてしまいましたとさ。
おしまい。
忍足「ってまてえ!これで終わりか!?」
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お馬鹿劇場、いかがだったでしょうか?(笑
もうネタはできてるのでいろんな学校でアホかましてみたいとおもいます。
感想等、お待ちしております。